「教わる人」から「教える人」へ|貢献内方慎也さんの役割!ソフトボールチームの成長と発展

内方慎也さん

profile

福井県出身。
高校では野球部に所属。
鳥取大学工学部に入学後、ソフトボールを始める。
現在は公務員として勤務するかたわら、母校で外部指導員としても活躍。

野球からソフトボールへ。今まで知らなかった楽しさを知った

どのような経緯で進路を決めましたか?

高校の頃から何となく大学には行くものだと思っていました。
進路選択に関しては、当時はまだやりたいことが具体的に決まっていなかったのですが、化学が得意だったので、もっと知識を深めたいと思って大学を選びました。
化学を学べる大学を探している際、進路相談の先生の親身な対応が心に残ったんですね。
そこで、先生になることにも魅力を感じ、教員免許も取れるような大学を探した結果、マッチングしたのが鳥取大学でした。

大学でも運動部は続けようと思っていましたか?


高校では野球部に所属していました。
昔から運動すること自体は好きだったので、大学に入ってからも何かしらの部活動やサークルに入ろうと思っていたのですが、もう野球は高校まででお腹がいっぱいだったので、何か別のスポーツをやりたいという気持ちが強かったです。
そんな時に声を掛けてくれたのがソフトボール部の方で、誘われるままに体験の練習に参加したところ、これまでやってきた野球と同じような競技でも、全然性質が違うことに気づいたんですね。
野球はピッチャーが上から投げてくるスポーツなので、変化球は上から下に曲がるような軌道のボールばかりだったのですが、ソフトボールは下から上に投げるので、球が浮き上がってくるんですよ。見たことのない軌道にすごく驚いたのと同時に「これを打てるようになりたいな」「これを投げられるようになりたいな」と思い、1回の体験ですぐに入部を決めました。

大学卒業後もスポーツを続けようと考えていましたか?

はい。大学在学中は先生になることも視野に入れていましたし、生涯スポーツとしてソフトボールをやっていきたい気持ちがありました。
現在は先生ではないのですが、たまたま御縁があって、母校のソフトボール部の外部指導員として関われることになって、とても満足してます。

外部指導員のやりがいについて教えてください。

毎日成長していく姿が見れる、そこがやりがいです。
ソフトボールという同じスポーツを好きな人たちが集まっているのでやりやすいですし、一生懸命な姿を見ているのが個人的にとても好きなので、頑張っている人の背中を押すことができるのはすごく幸せなことだと思っています。

大学での勉強で得たスキルを仕事や外部指導員に生かす

大学ではどのようなことを勉強されていましたか?

リチウムイオン電池について研究しました。
電池の性能を上げる実験や安全性を高める実験など、そういった分野の研究をされている先生のもとで勉強しました。
生活を支えてる身近な分野の研究だったので、機械の使い方や実際に電池を使用する際に気をつけるべき点などを学ぶことができたのは良かったことだと思っています。

大学で学んだことはどのような場面で今の生活やお仕事に活きていますか?

仕事でも外部指導員をしていても、伝え方を意識するようになりました。
リチウムイオンについてのプレゼンや卒業論文を書く際にも、効果的に見せるにはどんな文章や話し方をすると良いかなど、伝え方について考えることが多かったので、それが今の生活の中でも活きています。
普段話している時に、同じことを3パターンくらいに分けて説明してみても、やっと3パターン目で理解してくれることがあるというように、人によって伝わり方は全く違うなと強く感じています。
だからこそ、伝えたいことをどう相手が受け止めるかを想像して、喋り方を工夫したり、文章で「こう書けばストレートに伝わるかな」「こう書けば少し含みを持たせて言えるかな」ということを考えるようになりました。
そういったところが仕事で人に説明をする上でも、外部指導員として教える上でも活きているなと、学んでよかったと感じることが非常に多いですね。

部活動で培った姿勢が、市役所での仕事に生きた

どのように公務員になることを決めましたか?

大学院に行きたい気持ちもあったので、4年生に入るタイミングでもあまり就職活動の準備ができていなかったんですね。
そんな中、母校で教育実習をする機会があって「こうやって地元へ帰ってくるのもいいな」という思いもあり、最初に教員の採用試験を受けました。
もちろん勉強もきちんとできていない状態でしたので落ちてしまったのですが、ちょうど教員試験に落ちたのがわかったタイミングで市役所の募集があったので、じゃあ応募してみようかなということで市役所を選びました。

大学スポーツで学んだことはどのような場面で今の生活やお仕事に活きていますか?


決まったことを繰り返すという点で言うと、仕事も練習も一緒だと思っています。
野球をしていた頃も、猛練習して、プレーを身につけて、それを試合で活かしていくという流れの中で、練習の質をどれだけ実践に近い形にして繰り返して行けるかが大事だったなと。
どんな新たな分野に行くとしても、まずは覚えるところから始めなきゃいけないですよね。
しかし、覚えることに時間をかけていても仕事は進まないので、ある程度実践しながら、実践の中で知識をいかに早く身に着けられるかがすごく大事だと思うんです。
私が市役所でやっている仕事は単純なことが多いので、とにかく数をこなして慣れて覚えて、余裕が出てきたところでやっと折り合いをつけられたのかなと思っています。

国立大学で運動部に入るということ

高校の部活動と比べて大学運動部はどんな違いがありますか?

高校は顧問の先生がいて、練習メニューを組み立てるところから技術的な指導までしてくれて、色々と用意されている環境で活動をしていくというやり方でした。
一方の大学は、まず驚いたのが「指導者がいない」ということ。
自分たちで運営までしていかなければならないという中で、どうすれば試合に勝てるか、そのためにはどんな練習をすると効果があるか、などを考えなければならなかったことは大変でもあり、面白いところでもあったと思います。

野球やソフトボールのために勉強したことは何かありますか?

私のチームには指導者がいなかったので、一般の大会に参加する際に必要な指導者の資格を取りに行った際にソフトボールの勉強をしました。
それまではスポーツを「誰かから教わる」立場だったのですが、その時に初めて指導者として「誰かに教える」立場になり講習を経て自分でも誰かに教えられるようになりたいと思いましたね。
指導者資格を取得する際の会場では「ピッチャーの指導方法」を教えてもらう機会があって「こうするといいボールが投げられるようになるのか」など、技術的なことを学びました。
それを部内に持ち帰ってチームのピッチャーに指導をしたところ、とても反応が良かったんですね。
その経験は外部指導員になった今でも活きているので、学んでよかったと思います。

国立大学の体育会運動部に入ることにどんな意義がありますか?

個人的に体育会というイメージは「朝から夜までスポーツのことを考えている」というイメージなのですが、国立大学は設備や時間の制約があるので、私立大学と比べても少し緩いのではないかと思っています。
私立大学は、設備はもちろんのこと、有名な監督やコーチがついてくれるので、間違いなく技術が伸びると思うのですが、競技レベルも上がるため、自分が活躍したいと思ってもなかなかレギュラーになれず、叶わない可能性が出てくると思うんですね。
一方で国立大学は、部活動に関して言うと、「みんなで頭を使いながら勝つ方法を探ろう」ということがやりやすいですし、自分たちでチームを運営していけることは、国立大学でスポーツを続けることの魅力の1つなのではないでしょうか。

これから大学へ進む高校生へ

まずは常日頃から好きなことを好きと言える」ようにしていてほしいなと思います。
これが好きだと思うことは、エネルギーをいくらでも割けると思うので。
エネルギーを割ける好きなことをたくさん見つけて、その中から進路を見据えて、行きたい場所を決めていくのがいいのではないかと思います。
私自身、何になりたいとか、どういう大人になりたいとか、そういう意識が薄かったので、やりたいことを探す習慣を常日頃からつけていれば、もう少し違った人生もあったのかなと後悔しています。
大学に進学するというのは「大人になるための第1ステップ」だと思うので、そのためにどういう方向にステップを踏むのかをもっと考えておくべきでした。
ですので、みなさんはぜひ「これが好きだ」と思えることをたくさん見つけて、自分の可能性を広げていただければと思います。

 

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