栄養学をスポーツへ。心残りを晴らすべく駆使した「学び」

大澤徳洋さんインタビュー動画

大澤徳洋さん

profile

福井県出身。
中学ではバレーボール。高校からボートをはじめ、
スポーツ推薦で法政大学キャリアデザイン学部へ進学。
ボート部では全日本軽量級選手権大会で7位入賞。
大学で学んだ栄養学を活かして食品会社に就職後、現在はメーカーにて営業職として活躍。

不完全燃焼の高校時代。大学でやりきることを決めた

どのような経緯で進路を決めましたか?

スポーツ人生に心残りがあったため、大学に進学して、スポーツを続けることを決めました。
私の高校は進学校だったため、漠然と「大学は行くものだ」という考えがあったのですが、当時、私は所属していたボート部の部活動ばかりしていて、夏の最後の大会が終わってからやっと「どうしようかな?」と進路について考え始めたんです。
おそらく同じ学年でも動き出しが1番遅かったと思います。
そんな中、進学先に迷っている私に「スポーツ推薦という選択肢もあるぞ」と顧問の先生が助言をしてくれました。
ボート部ではそれなりの成績を収められていたのですが、夏のインターハイで県予選で負けてしまったことが非常に心残りだったんです。
それだけではなく、怪我もしてしまったため、チームに迷惑をかけて申し訳ないという気持ちと、「もっとできたんじゃないか」という不完全燃焼な気持ちがあったので、大学でもボートは続けようと思い、せっかくあるチャンスは使おうということで、法政大学のスポーツ推薦を受けました。

大学卒業後もスポーツを続けようと考えていましたか?


高校の時にスポーツ推薦で進学すると決めてから「スポーツは大学までにしよう」と決めていました。いつまでもズルズルやってしまうと、甘えが出ると思ったので。
あとは正直な話をすると「ボート部は辛い」ということが理由の1つにありました。体力的にも非常にキツいですし、トレーニングに関しても「こんなのずっと続けていられるか!」と思うくらい大変だったんです。
もし高校3年間でいい成績が出ていたら、きっとスッパリ辞めてたと思います。
ただ、不完全燃焼で終わってしまったので、やれるだけやってみよう思い、大学までは続けることを決めました。

大学で出会った「栄養学」が進路を決めてくれた

キャリアデザイン学部に進学を決めた理由を教えてください。

キャリアデザイン学部は他の学部と違い、いろいろなことが学べる自由な学部でした。
高校の頃は部活動ばかりしていて、自分がどんなことに興味を持っているかも分かっていない状況だったので、興味を持てるものを見つけるためにピッタリな学部だと思い、進学を決めました。

大学でどのように自分の興味があることを見つけましたか?

大学で興味を持ったのは「栄養学」です。
法政大学の場合、自身の専攻している学部とは別にスポーツ推薦で入学した学生向けのカリキュラムが設けられていました。
そこでは栄養や医療などのスポーツに関わる専門知識に加えて、メンタル的なことを学べる機会があり、そのカリキュラムを学んでいくうちに栄養学に興味を持つようになったんです。
自分の競技生活にも繋がるところだったので、栄養学に精通している先生とよくお話させてもらうなど、積極的に学びました。

大学で学んだことはどのような場面で今の生活やお仕事に活きていますか?

栄養学を学んできたことが就職活動をする際の1番の軸になりました。
就職活動の際に自分のこれまでを振り返る機会があり、大学の中で栄養学を学ぶ時間や普段の食事をしている時間が、生活の中でとても楽しみで、潤いを感じる時間だったと感じたんです。
そこから栄養学を学んできたことを自分の軸として、新卒で食品メーカーの営業職に就きました。
大学で学んできたことが、卒業後の進路選択に役立ったことがとても良い経験だったと思います。
それ以外にも栄養学は普段の生活で活かせる場面が多いので、学んでよかったです。

大学時代を振り返って、あの時やっておけば良かったと思い返すことはありますか?

「自分の興味の持ち方」を変えることです。
ありとあらゆることを学び直したいというのが正直なところなのですが、当時、受けていた授業それぞれ「この内容がどのように役立つか」が全然分かっていなかったんですね。
仕事をするようになってからやっと、大学の頃に学んでいた経営学やマーケティングがどんな仕事をするにも関わりがある学問だと気づいたので、当時の「自分の興味の持ち方」が変わっていれば、もっと今の仕事に活かせたのではないかと後悔しています。

進路について、今自分が高校生だったらどんな選択をしますか?

私は欲張りな性格なので「やったことがないことをしてみたい」ですね。
例えば、もっと勉強をして、当時はできなかった受験をしてみて、自分がどんな大学に進めるのかを試してみたいですし、そのような経験をした上で、大学で経営学やマーケティングなどの学問を学び直したいです。
大学での学びを活かして上げたパフォーマンス

高校の部活動と比べて大学運動部はどんな違いがありますか?


環境の違いが大きかったです。
みんなで寮に住んで、寝食を共にしながら、朝は4時に起きて朝一練習をして、学校に通って、夕方からもう1度練習をして、という生活をしていたことが高校と違うところでした。
ただ、寮生活があったことは自分にとって良いことだったなと思います。
同じ学部の先輩も寮にたくさんいて、よく面倒を見てもらっていたので、大きな苦労なく生活できました。
また、高校の時は指導者から指導を受けながら部活動をしていたのに対して、大学運動部だと、選手1人ひとりが自分で考えて行動に移さないといけないという違いもあります。
学生同士でコミュニケーションを取って、みんなで成績を残すために動くという動き方は、社会人になってから思うと「小さい会社」のような、組織の縮図的な環境だったのだと思いますね。

大学で学んだことが部活動で活きたと思える場面はありましたか?

当時怪我が多かった私にとって、栄養学は本当に役立ちました。
貴重な選手生活で怪我をしてしまうと、成績を上げるチャンスも少なくなってしまう。それはもったいないことだと思って、肉体改造をしようという考えに至りました。
肉体改造にともない栄養学の観点から自分のパフォーマンスを上げるために、何が必要なのかを徹底的に調べ上げたんですね。
例えば、血液を採って「今の自分に足りてない栄養素はこれだな」ということを調べ、その栄養素の数値が足りないと、どんなリスクがあるかを大学の先生と話して、改善するためにどういう食事、栄養を摂ればいいのかを考えました。
その結果として、高校生の頃よりもパフォーマンスを上げることができたと思います。

大学で養われた”自主的に取り組む力”

大学に行くこと、大学で部活動をすることにはどんな意義がありますか?

自由な環境が与えられていることが1番大きいと思います。
自由な環境の中で自分で考えて、仲間とコミュニケーションを取って取り組むということは、社会人になってからはもちろん、何をするにしても非常に役立つ経験です。
自由な環境が与えられていて、自主的に取り組む力を身につけられることが、大学に行ってスポーツを続ける意義ではないかと思いますね。

これから大学へ進む高校生へ

「将来何をしたいのか」
「10年後、20年後、どんな姿になっていたいか」
これらを具体的に考えている方は、そこまで多くないと思います。私自身もそうでした。
そんな方にとって大学生活や大学運動部は様々な可能性を見出せる場だと思いますので、ぜひ前向きに自分の進路に向き合って、自分の人生を楽しくするための選択をしていただけたらいいのではないかと思います。
今後の競技生活も頑張ってください!

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