マネージャーという立場だからこそ見えたスポーツの面白さ|大学部活を支える岩崎千歩さん

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岩崎 千歩さん

profile

千葉県出身。
高校時代はハンドボール部のプレーヤーだったが、怪我をきっかけにサポート側に就く。文教大学では女子サッカー部のマネージャーとして活躍し、スポーツイベントにボランティアとして参加するなど、スポーツに携わり続けた。
現在はNPOスマイルクラブにて、障害がある子どもたちの運動指導を行う。

スポーツを「プレーする」以外の楽しさに気づいた大学生活

どのような経緯で進路を決めましたか?

大学は文教大学人間科学部人間科学科に進学しました。
学部の講義内容を見たときに、心理学や社会学、自分の興味のあるスポーツ、地域に関わることなど幅広く学べるところだと思ったので、そのような講義を受けながら、自分のキャリア、今後の進路について考えていきたいと思い大学進学を決めました。

大学で学んで良かったと思うことは何ですか?

大学時代はボランティアとしてスポーツイベントに参加したり、パラアスリートを招いた講義を受けられたことが、今の職業にも活かせている活動になったと思います。
当時、第1回、第2回の「さいたま国際マラソン」に初めてスポーツボランティアとして参加したのですが、近くで支える楽しさを知ったり、臨場感を楽しめたことがすごく印象に残っています。
パラアスリートを招いた講義では、パラ卓球の岩渕幸洋(いわぶち こうよう)選手が登壇した回もあって、実際のプレーを見たり、パラアスリートの生の声を聞くことができ、貴重な時間を過ごしました。
そういった経験から、スポーツをする楽しさだけでなく、「支える」楽しさや「見る」楽しさにも視野を広げられたり、障がいのある人たちを含む多様な人々への社会や世界に目を向けるきっかけをもらえたと感じています。
「縁の下の力持ちですね」と言ってもらえたことが嬉しかった

大学で運動部のマネージャーをしようと思った経緯を教えてください。

高校ではハンドボール部に所属していたのですが、3年生のときにケガをしてしまったので、大学でプレーを続けることは考えていませんでした。
ただ、スポーツには携わりたいと思っていて、高校の先輩が同じ大学の女子サッカー部に所属していたので、そちらを見学をしてみたところ、雰囲気が良かったため、女子サッカー部のマネージャーとして頑張ろうと思い、入部を決めました。
活動は主に選手のサポート。給水や道具の準備、ボール拾いなどの目に見える仕事もあれば、スコアの管理や道具の管理、気持ちの面で落ち込んでる選手に対してのアプローチなどの目に見えない仕事を通して選手をサポートすることが役割でした。

大学スポーツに携わる上で難しいと感じたことはなんですか?

チームの部員の中でも、これまで強豪校でサッカーをやってきた人もいれば、初心者もいて、試合の意識に関しても「試合で勝ち進みたい人」もいれば「みんなで楽しく過ごしたい人」もいて、それぞれの立場が混ざり合っている状況だったので、全員が同じ方向を向いて進んでいくことがすごく難しかったです。

自分を褒めてあげたいと思うこと、悔いていることはありますか?

大学運動部を引退する頃に、後輩の部員から「先輩は縁の下の力持ちですよね」と言ってもらえたことがすごく嬉しかったです。そういう存在だと思われるように動けていたのだと、人から言葉をもらったことで自信になりました。

悔いていることは、マネージャーとしてもっと多角的にアプローチができたのではないかと思っています。
目の前の役割をこなすことに精一杯になってしまっていたのですが、食事などの栄養面やテーピング、運動後のケアのしかたなど、もっと勉強して部員に伝えていくことができたのではないかということが少し心残りですね。
スポーツと隣り合わせの生活を送れている今が楽しい

現在のお仕事のやりがいを教えてください。

現在は障がいのある子どもたちの運動指導を行っています。
主に放課後等デイサービスや児童発達支援の場で、マンツーマンの子どもの運動指導を行っていて、その子に合わせた運動は何かを考えたり、運動指導だけでなく、人との関わり方や社会に出るために学ばなければならないルールを伝えながら、スポーツを通じて楽しい時間を創っていくことが役割です。
スポーツをする人を支える側として、今もスポーツと隣り合わせの生活を送れていることが楽しくて、日々充実した生活を送っています。

マネージャーをやって学んだことはどのような場面で今の生活やお仕事に活きていますか?

大学時代も現在の仕事も「スポーツを支える立場」として携わっているので、支える側としての楽しみ方や寄り添い方は自然と今の仕事にも活きていると感じます。
私自身も高校まではプレーヤーとして活動していたので、自分自身がスポーツをやっていた頃の経験も思い出しながら、スポーツをする側と支える側の両面からアプローチしていく力を今後も高めていきたいです。

大学に行くこと、大学でスポーツをすることにはどんな意義がありますか?

大学では、今後の人生を豊かにするヒントを探すことが大切だと思います。
興味のあることや好きなことをとことん追求したり、新しいことにチャレンジしたり、失敗したり。社会人になる前に色々な経験をして、良き思い出も苦い思い出もたくさん作ることができるのが大学です。
また、大学でスポーツをすることは、常に選択をすることだと思います。
それまでやっていたスポーツを継続してもいいですし、辞めて別の方向を見てもいいですし、自分が何をしたいのか、どうしたら好きな自分にもっと近づけるのか、より充実した生活になっていくのか。
それを考えることが、スポーツだけでなく自分自身の大学生活にも大きな影響を与えると思うので、考えてみて「こっちだ」と思う方を選択しながら、少しずつ理想の自分に近づける場所にできると良いのではないかと思います。

これから大学へ進む高校生へ

学業も大事ですが、高校生のときしかできないこともたくさんあるので、まずはそこを思い切りやると良いと思います。
そうすることで気づくことがあると思いますし、進路に繋がることもあるかもしれないですし、失敗を恐れず、興味のあることに貪欲に突き進んでほしいです。
スマートフォンをいじれる時間は生涯たくさんあるので、ぜひ外に出たり、友達と一緒に過ごす「今しかできない時間」を大切にしてください。

 

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