菊池秀治さんインタビュー動画
profile
東京都出身。
父親の影響で、小学生の頃からアイスホッケーを始める。
高校時代にプロか大学スポーツの選択で悩むも、セカンドキャリアを見据えて、大学スポーツの道へ。
大学では「国体優勝」「インカレ準優勝」「18歳から20歳以下の日本代表に選出」など、輝かしい成績を残す。
現在はプルデンシャル生命品川第六支社に勤めながら、横浜のプロアイスホッケーチーム“横浜GRITS”にて現役選手として活躍中。
プロリーグでの活躍と引退後のキャリアを見据え、大学進学を決意
どのような経緯で進路を決めましたか?
自分は小学校1年生からアイスホッケーを始めていたので、大学でもアイスホッケーで上を目指したいという思いが当時からありました。
上を目指すためには「大学でレベルをもっと上げないとプロリーグで通用しないな」と思っていたところに、大学リーグで活躍されている法政大学から声をかけていただきました。
法政大学は昔から大会で見ていて親しみを感じていたこともあり、進学を決めました。
大学卒業後のキャリアはどのように考えていましたか?
プロになりたい思いはずっとありましたが、狭き門であることは理解していたので「プロになれなかったらどういう仕事をしたいか」は、高校時代からイメージしていました。
その場合は金融業に行きたいなっていうのは、当時から思っていましたね。
アイスホッケーを通して、大会ごとに異なるチケットの値段、競技が違うだけでプロになってからの収入にも大きな違いが出ることは知っていたので、このあたりの興味からアンテナは常に張っていたと思います。
それでは将来のキャリアも考えて、自分で学部を決められたのですか?
大学は法学部に行ったのですが、これは自分で決めた学部選択ですね。
高校2年生の冬ぐらいに「どこの業界でも通用する学問って何だろう」と考えたときに法律を学んでおけば、どこでも通用するんじゃないかっていうことを思ったからです。
大学で学んだことは、どのような場面で今のお仕事に活きていますか?
今はライフプランナーとして様々なご職業の方と仕事をさせてもらっているのですが、相続の問題や会社法の内容など、法律関連の話はよく出てきます。
そういうときに法学部で学んだことが活きているので、当時から学んでおいてよかったなと思うところはありますね。
大学で最も実力に差を付けたのは「自己管理スキル」
高校の部活動と比べて、大学スポーツはどんな違いがありますか?
違いとしては、自己管理ができる選手とできていない選手では、大学4年間で実力に大きな差が開いてしまうことだと思います。
大学でスポーツを続けるためには、食事管理やトレーニング・競技の練習、あとは自分で選択した授業を含めて、タイムスケジュールを組んでいかなければいけません。
高校生までは受け身で大丈夫ですが、大学では自分でチャンスを掴みにいかないとその先の道を切り開くことができないからです。
そこは社会に出てから通じるものがあるので、大人の階段を登るためのステップではないですが、将来の選択肢を広げる4年間になったのかなと感じています。
大学で必要な自己管理のスキルは、自然と身につくものですか?
「自分は何をやりたいのか・どうありたいのか」の軸がないと、なかなか身につかないスキルではあると思いますね。
このような軸があることで、何が必要になるかが明確になっていきます。
「自分はこうなりたいから、明日はこれをしよう」「毎日この時間には、あれを続けないといけない」ということが理解できるからです。
ただ、これを当時の自分がすべて実行できていたかというと、ちょっと怪しい部分はあるのですが…。今振り返ってみると、自分はできていたのではないかなと思います。
長期的な活躍を考えてのメリハリ。オフの時間を大切にする
大学スポーツで辛かったこと、困難に感じたことはなんですか?
充実した4年間だったので、困難は特に感じていませんでした。
強いていうのであれば、当時は寮生活で自炊をしなければいけなかったので、選手として「競技力向上のために何を食べればいいか」を自分で考えていくところが少し大変でした。
ただ、基本的には全国から集まった強い選手と寮生活をするなかで、男くさい部屋ではありましたが、仲間やライバルたちと高め合える環境で過ごせて充実した4年間であったと思います。
選手として活躍を続けるために、特に工夫されていた点はありますか?
トレーニングに集中するオンの時間と、体をケアするためのオフの時間のメリハリは特に大事にしていました。
大学ではチームにトレーナーがいてくださったので、トレーニングに集中できていたのはもちろんですが、練習後に体をしっかりケアしてあげるというのは当時から大事にしていたところではありますね。
チームの最前線で活躍したからこその視野。様々な経験を人生に活かす
もし自分が高校生に戻ったら、今と同じ進路や部活を選びますか?
36歳になった今でも当時の選択は間違っていなかったと思うので、同じ選択はしたいなと思っています。
ただ1つ思うこととしては、挑戦の場は1部リーグではなくても別に良かったかもしれません。
自分は25歳から28歳まで中国に移籍して、北京と上海に住みながら選手として活動を続けていた時期があるのですが、そこでは1部リーグとは違う役割の自分を求められました。
そこで生き方の選択肢や戦い方のバリエーションも増やすことができたので、そういった意味でも、色々な場所でチャレンジする人生も面白かったかもしれないなとは思います。
最後に大学に進学することや、大学でスポーツをすることにはどんな意義があると思いますか?
大学で4年間過ごせたおかげで、今の仕事とリンクするような知識や経験を増やすことができたことでしょうか。
たとえば仕事や競技の仲間、お客さんなどと接するときに大学時代の学びが活きる瞬間というのは本当に多くの場面で感じています。
今は色々な生き方があるので大学に進学しなくても、さまざまな職業に就けますし、働き方や給与も良い方向に変わるとは限りません。
ただ、自分はこれから40代・50代と歳を重ねていくなかでも、多分このリンクする瞬間は無くならないと思っているので、そういった意味でも大学に進学して良かったなと思っています。
これから大学へ進む高校生へ
僕は高校3年間、学業と部活動と一生懸命に自分なりに過ごしたので、本当にあっという間に終わってしまった3年間でした。
ただ高校生活の3年間を振り返ってみて、もちろんつらい思い出もありましたが、本当によかったなっていう思い出が36歳になってもたくさん残っています。
勉強もそうですし、仲間との付き合いもそうですし、部活動もそうですし、高校生活でしかできないことは本当にたくさんあるので、今はそれを全うして楽しんで、これからの人生の糧にしていただきたいなと思います。