大好きな「なわとび」が仕事に|世界大会種目別準優勝のなわとびパフォーマー藤沢祥太朗さん

藤沢祥太朗さんインタビュー動画

藤沢祥太朗さん

profile

東京都出身。
大学卒業時に小学校の教師になるか、なわとびパフォーマーになるかで悩み、後者の道を選ぶ。

全日本選手権のフリースタイル部門で4回優勝、アジア大会種目別優勝、世界大会種目別準優勝などの経歴を持つ。

ナワトビライド代表、現役のなわとびパフォーマー。

藤沢さん

大学卒業後になわとびパフォーマーとしての仕事を始める

どのような経緯で進路を決めましたか?

元々は小学校の先生になりたいという気持ちがあったので、教育大学に行くことはかなり前から決めてました。
それで候補に挙がった文教大学を受験させていただき、進学することにしました。

大学卒業後にどんなキャリアを歩むか、高校生のときから考えていたのですか?

自分は小学校の先生になろうと思っていたので、大学卒業後になわとびを続けることは考えていなかったです。
ただ、考えていなかったのですが、大学4年生の頃、小学校の先生の試験を受ける頃に「もう少しなわとびをやりたいな」という気持ちも入ってきていました。
当時は色々と悩みがあって、試験のやる気も起きなくなってしまって…。
結局、卒業してから数年後に「今の仕事を始めよう」と決意をして、今はなわとびパフォーマーの仕事をしています。

小学校の先生ではなく、なわとびパフォーマーを仕事に選んだ決め手は何でしょうか?

競技としての楽しさはもちろんありますが、競技以外にもなわとびを子供たちに教える機会が多かったのですよね。
そこで、なわとびを教える楽しさにちょっとずつ気づいていきました。

それで大学4年生の頃、就職が目の前になってきたときに「なわとびもやっていきたいな」という気持ちになっていたので、結果的には今のお仕事をやらせてもらってます。

なわとびの成功体験が子供たちの自信につながる

今の活動が「社会に貢献できているな」と感じる瞬間はありますか?

まず、なわとびという遊び自体が達成感を味わいやすい運動になっています。
自分は小学校に呼んでいただけることが多いのですが、子供たちが上達することで、子供たちの自信につなげられているのは大きいかなと感じています。
学校に行かなくても遊ぶことができて、コロナ禍で最近重宝されていることから、周りに貢献できているのではと思っています。

大学で学んだことはどのような場面で今の生活やお仕事に活きていますか?

自分は教育学を学んできたので、今の子供たちに教える仕事にそのまま活かせているなと感じることは多いです。
大学時代の教育実習では、ボランティアで小学校に行かせてもらうこともありました。
そこでいろいろな子供と関わることができたことも、今の仕事につながっていると思います。

大学で学んで仕事に活きたことの具体的なエピソードがあれば、教えてください。

子供との関わり方で視点が広がったことなのですが、たとえば、子供たちを褒めることは自分の中ですごく良いイメージがありました。

ただ、褒めることだけをずっと続けていると、子供たちは褒められないと不満を感じることがある、ということを学んだときに「褒めることは良いことばかりではないんだな」と考えるようになったことですかね。
そこで学んだことがキッカケで多角的な視点につながり、今の仕事にも活かせているのではないかと思っています。

学べるうちに学んでおく。役に立つ知識は社会に出てからわかるから

大学時代を振り返って、あの時やっておけば良かったと思い返すことはありますか?

自分は小学校の先生になることしか考えてなかったのですが、今は幼稚園でも教える機会があるので、もう少し幼児教育のことを勉強しておけばよかったと思うことはあります。
どの分野が今に活きるかというのは、本当に社会人になってからじゃないとわからないですね。
当時はもっといろんなことに挑戦して、いろんなことを学んでおけばよかったなというのはよく思います。

大学で学べるうちに学んでおくことは、やはり重要だと感じますか?

大学の頃は正直「この知識は何の役に立つんだろう」と思うこともありましたが、今になって勉強しておけばよかったと思うことはよくあります。
先ほどもお伝えしましたが、どの分野が役に立つのかは仕事に就いてからでないとわからないと思っています。そのため、大学で学べるうちに学んでおくことは重要だなと感じています。

1人競技の辛さ。周りから助けられながらなわとびを続ける

競技力を鍛える上で辛かったこと、困難に感じたことはなんですか?

自分は部活に所属していたわけではなかったので、基本的に1人でやってたのですが、毎日のようにやっても伸び悩んでいたときは少し辛かったですね。
1人競技なので、1人で練習できたほうがいいのですが、つらい練習をするときはどうしても甘えてしまうこともあり、仲間がいると良かったなとは思っていました。
ただ、大学では1人でやっていたのですが、クラブチームの練習に行くことで気持ちを高めてから必要な練習に臨むなどの方法を取って乗り越えていました。

大学在学中の競技生活で自分を褒めてあげたいと思うことはなんですか?

1人の練習時間が多かった中で、よくやっていたというところでしょうか。
基本1人が好きではあるのですが、それでも大変だなと思うことはあったので、よくやっていたなと自分でも思います。
「時間があればなわとびをやっていたい」と思えるくらい好きだったことも、続けられた大きな要因だと思っています。

褒めてあげたいことがある一方で、何か後悔していることはありますか?

教師になるための採用試験や世界大会が重なった時期があるのですが、そこでやることを絞ってしまったことですね。
世界大会の種目を絞って出たのですが、今になって振り返ってみると全部に挑戦したほうがよかったと思うので、「やれる時期にやれることをやったほうがいい」というのは感じています。

もし自分が高校生に戻ったら、今と同じ進路や部活を選びますか?

自分はなわとびパフォーマーという道を選んだのですが、大学の教育学部で学べたことが今本当に活きてるなと感じているので、今と同じ道を選びたいと思っています。

教育学を学んだことが今の仕事の基礎になっているので、どちらか片方が欠けてる選択はしないと思います。

大学に行くことにはどんな意義があると思いますか?

「自分の可能性を広げられる」というのが一番大きいのではないでしょうか。
自分の場合は、大学で学んだことがそのまま仕事につながっているので珍しいかもしれませんが、教育学を学んだおかげで今の仕事ができているとも思っています。
そういった意味でも、大学に行くことの意義はあると感じています。

これから大学へ進む高校生へ

「今学んでることは将来の役に立つのかな」と思うこともあると思うのですが、それが分かってくるのは、社会人になってからだなと自分は感じています。
「何でこれをやるのかな」と思っても「今できることはやってほしい」というのが自分からのお願いになります。
自分は一番やりたいことを続けたことで、今の仕事ができています。今の学習が何の役に立つかはわからないと思うのですが、何かしらいいことは今後あると思うので、皆さんの好きなことをやってください。

 

このページの先頭へ戻る