アスリート学生のキャリアを支援する株式会社アーシャルデザイン専務取締役の久野晋一郎さん

2022年11月10日

久野 晋一郎さんインタビュー動画

インタビュー

久野 晋一郎さんHisano Shinichiro

profile

株式会社アーシャルデザイン専務取締役
日本大学卒業。人材業界を経て、「スポーツ経験者のキャリアをサポートしたい」という思いから
株式会社アーシャルデザイン創業メンバーの1人となる。
現在、アスリート人材・体育会学生のキャリア支援事業を行い、
2000人を超える人材を支援してきている。

キャリア支援のきっかけ

事業内容を教えてください。

基本的に主軸の事業としては2つございます。1つ目は、アスリート人材・体育会学生でしたり、元々そういう大学時代に運動部に所属していた方とか、現役で競技をやっていらっしゃる方のキャリア支援事業です。2つ目は、同じようなキャリア支援にはなってくるんですけど、ITエンジニアになりたいという元アスリートの方々に私どもの独自の教育プログラムを受講いただいてエンジニアになっていただくという事業です。転職と就職のサポートでいうと今までに累計2000人くらいを支援してきました。

アスリートの専門サービスを始めたきっかけを教えてください。

元々、当社の代表がスポーツ事業をしたいと考えておりました。
既卒とか第2新卒の方の就職サポートをしていたんですけど、スポーツしている方って非常に企業からの引き合いが多いんです。
だけど自分の可能性に気づけていないので、進路選択を見誤ってしまうケースも非常に多いなと思っていました。その人たちが、社会人経験は無いけど競技歴を評価されて引退後にキャリアにつける、そういったサポートをしたいという思いが創業のきっかけです。

企業にとってはアスリートの何が魅力ですか。

やはり一つのことを突き詰めてやった経験。投げ出さずに取り組んだ経験。グリッドとか胆力とかって言いますけど、その点が評価されていると思います。

運動部の学生が心がけるべきこと

強豪校の学生は就職が有利ですか。

強豪チームに入って何にも考えずに4年間を過ごした結果、思うような進路につけない子がいるのも事実です。逆に弱小チームでも、将来から逆算して4年間を過ごした子はもちろんいい進路についています競技と並行して勉強もしたり、将来の進路のことを考えて、部活も忙しいけどインターンシップに行ったりするなど、計画的にやっている方はおのずと希望の進路に行っている印象があります

高校生は何を重視して進学先を決めればいいと思いますか。

大学生の先輩に質問ができる機会があれば、「先輩は将来どんな進路を考えていますか」って聞くのが一番いいと思います。その時、明確に「僕はこれこれ、こういうことをやりたい」って言える先輩の数が多い部活とか大学は、比較的そういう将来のキャリアとかを指導してもらえる機会が多いところだと思います。逆に、「目の前のサッカーだけ頑張ろうと思っている」とか、「将来はプロになりたい」とかしか答えが出てこないようなところだと、将来を考える機会があまりないんじゃないのかなと思います。

運動部学生は他の学生に比べて何が課題ですか。

勉強じゃないですか。勉強が二の次、三の次になっちゃうケースがあるのも事実ですが、大学生の本業は勉強なので、それをおざなりにしないことです。1日24時間あって18時間も部活やっているわけじゃないんです。長い部活でも半日とかなので、それ以外の余暇の時間というか自分の学習とかに充てられる時間はある。そこをちゃんと授業の予習復習に充てようとか、読書をしようとか、1日30分でもいいのでそれを作れるかどうかだと思います。

キャリア専門家から高校生へアドバイス

高校生の時から心がけておいた方がいいことは何かありますか。

失敗とか挫折経験だと思っています。そこからどう回復したかっていうところを企業は採用のときに聞きたい。
要は就職活動で自己PRとか成功体験をみんな一生懸命考えるんですけど、それって仕事に直結しないというか、それよりも挫折した経験とか、失敗してそこからどう回復したのか。仕事って挫折の連続、失敗の連続なので、そこから回復できる人材かどうかっていうところを企業は見ています。
ですので、部活を通じてうまくタイムが出なかった、勝てなかった、仲間とうまく分かち合えなかった、でもその時にどういうふうに考えたとか、どういうふうに行動したとかがすごく大切なんじゃないかなと思います。

将来何がしたいのか分からない人は何をヒントに考えればいいと思いますか。

やりたいことが明確に決まっている人は、「貧困を解決したい」と突発的に思うわけじゃなくて、そういう原体験があるんです。例えば、バックパックで東南アジアに行った時、カンボジアで見たあの光景、同じアジア人なのに何でこんなにも貧富の差があるのか、僕は学生を終えて社会で働きだしたら貧困を解決できるような企業に入りたい。そのような原体験があってのやりたい仕事だと思うんです。ですので、そういった日々の原体験、社会課題に対してとか、そこにアンテナを広く張ることだと思います。

運動部学生が身につけておくべきスキルは何かありますか。

考え抜くみたいな所も大事なんだろうと思います。運動部に限った話じゃないですけど、AIに取って代わられる仕事みたいなブルーカラー系業務は、これから機械化されていくと言われています。その中で、「体力があります」「根性があります」だけだと生き残れないと思うんです。体力があって且つ考えられる。この掛け算ができてくるとすごく求められる人材になると思います。

高校生に対してキャリア選択の観点からメッセージをお願いします。

やはり偏差値で大学を決めないことが大切じゃないでしょうか。僕は、自分に娘がいるんですけど、偏差値が高い大学に入ることが必ずしも正解じゃないと、子供が大学の進路選択を決める時もそれを伝えたいと思います。卒業した後に何がやりたいかとか、どうなりたいかから逆算して大学や学部学科を決めた方がずれない。卒業した後に自分がどうなりたいかは、今考えられないかもしれないんですけど、それをちょっと考える時間をとってみて、その自分になるためにどの大学がベストなのかを選択するとより良いのかなと思います。

会社概要

社名株式会社アーシャルデザイン
設立2014年10月
本社東京都渋谷区神宮前2丁目4−11 Daiwa神宮前ビル3階
サテライトオフィス大阪・名古屋・仙台

事業内容

体育会学生、アスリート特化型採用サービス 「Athlete Agent|アスリートエージェント」
アスリートITエンジニアのスキルシェアサービス「Athlete Agent-TECH|アスリートエージェントテック」
ビジネスアスリートWebマガジン「ATHLETE LIVE|アスリートライブ」

情報発信

 

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