スペシャルコンテンツ【理系編】スポーツ科学って何ですか?立命館大学伊坂先生!

2022年10月19日

日本中、世界中にアピールできるスポーツ健康科学

伊坂忠夫先生インタビュー動画

立命館大学教授
伊坂忠夫先生

profile

立命館大学理事・副総長・立命館大学副学長
スポーツ健康科学部教授
一般社団法人大学スポーツ協会理事
一般社団法人大学スポーツコンソーシアムKANSAI会長
応用バイオメカニクスを専門分野とする研究者

スポーツ健康科学部とは

先生がどんなお仕事をされているのか教えてください。

立命館大学の伊坂忠夫でございます。副学長、副総長、そしてスポーツ健康科学部教授をさせていただいています。副総長としては、立命館学園はご存知のとおり2大学、立命館大学と立命館アジア太平洋大学があり、五つの附属校がございます。私の担当は学生のこと、入試のこと、それと一貫教育を担当しています。研究の方は応用バイオメカニクスという形で実験室を運営しながら、学生/院生、若い先生方と一緒に研究に取り組んでおります。

スポーツ健康科学部はどんなことが勉強できるのでしょうか。

スポーツというとどうしても体を動かすってことばかりに目が向き、健康というと健康作りだけに向くんですけども、我々はそのスポーツ健康科学を人文、社会、自然、この三つの学問分野が総合した総合知としての学問として考えています。

学んだことは就職しても役立ちますか。

人は1人で社会を構成していませんので、社会を構成するときに健康作りやスポーツ活動そのものが人作り、まち作りにどう貢献するかっていうことを学ばれますし、そこの中で集団形成されたときの組織のあり方ですとか、あるいは人のコーチングの仕方、それは教育的なものもあれば、ビジネス的なコーチングも含めてですが、そういうことを引き出していくという力も養成されます。

スポーツ健康科学を勉強するとスポーツが上手くなりますか。

はい、それはエビデンスが証明しているとこであります我々はそういう科学的なエビデンスを出して実践の場に使ってもらうために研究をしているわけです。そういう科学研究の最先端の学びをしていただければ当然、自分のパフォーマンスを伸ばしたり、あるいはチームのパフォーマンスを上げたりっていうことに貢献することができます。

社会で役立つPDCAサイクルの理解と実践

スポーツ健康科学が社会に出てから役立つ具体例をお聞かせください。

まさにPDCAサイクルを回しますよね。自分はこうなりたい、そのための計画をやってみて、検証をしてみて、それで次に繋げていくと、そういうことは当然、我々、トレーニング計画の中でやっておられると思いますし、そういうことの検証をする、あるいはそういうスキルを身につけられるのは間違いないです。一方で、それを自分だけのやり方で本当にいいのかとか、あるいはチーム全体でどうするかっていう中でのディスカッション、まさにリーダーシップについての考え方についても学ばれると思います。そういう意味では、自分の体力向上とか技の向上だけにとどまらず、そこで学んだやり方、仕掛け、システムというものは他の分野にも当然、トランスファーできるものだと思っています。

高校生に伝えたい「言語化」の大切さ

スポーツ健康科学を勉強したい高校生が今からできることは何かありますか。

そうですね。たくさんあると思いますけど、一つは自分でやっているスポーツを自分なりに言語化して客観視してみて、自分がどこまで伸ばせるのか、その可能性について考えてもらう。その時にどんなツールっていうんでしょうか、トレーニング方法も含めて利用できるものがあるのか、ぜひそれを調べてほしい。その上で試してもらいたいなと思います。そして、それを試した結果どうやったかっていうことを、確認してもらいたいなと思います。スポーツやっている人っていうのは、「イノベーションできる」じゃないかなと思っています。先ほど言ったように、新しい戦術を考えてみたり、新しいトライを考えてみたり、自分なりに試していますよね。そうやって新しいものを生み出すっていうことのトライができる人たちだと思っています。そういう人たちは、これからの時代を切り拓いてくれる人だと思いますし、その中でスポーツ健康科学っていう観点の中で、さらに学びを深めていただいて研究を進めていただく、そしてそのことはこれからのSociety5.0と言われる時代の中で、リアル、サイバーを超える中で我々の体、実践知をどう考えるかというところに繋げられる人になるんじゃないかと思っております。

高校の部活動でどうやったら言語化を訓練できますか。

自分の頭の中で「こういうスイングをして、その時はこういう感じで、こういうとこ気をつけて振った」って多分あると思うんですね。それをノートに書くことが一番簡単な言語化とちがいますかね。僕は文字化するのが一番大事だと思います。

自分が何を実現したいのだろうか

学部の強みを教えてください。

うちの売りは、最先端の研究を、最先端でやっている先生とやれる。それにふさわしい最先端の施設やソフトが詰まっているということだと思います。

最後に高校生へメッセージをお願いします。

迷っている皆さんへ。やっぱり若いときって迷いますよね。迷っているということは、可能性がたくさんあるんです。そこが大事だと思うんですよ。その可能性の中で、どれからまずやるかっていう、もし優先順位が決められるんであれば、それをまず選ばれたらいいと思います。その中で、まず第一歩を踏んでみる。で、どうしても分からんという事であればスポーツ健康科学で学んでください。その上で、その中で自分自身の迷いを払拭するように一生懸命のめり込んでいただければと思います。大学とは、人生1回ですし、自分が何を実現したいのかっていうことを明確に持ってもらえると非常に進みやすいと思います。迷ったらとにかく前へやってみる。その中で次に迷ったときに選択肢が狭まらないような自分にして欲しい。選択肢を狭めるのは、自分の学びが低いからとか、スポーツもできないからじゃなくて、やっぱり自分が今やれることを最大の努力でやることです。その中で本当にパフォーマンスを、頂上を目指すんであればそこに注力する。そして、勉強で本気でやるっていう場合にはそれに注力する。その中で皆さんがやれることを全力で進めていただければと思いますし、それでも迷った人は繰り返しますが、スポーツ健康科学の分野に一歩踏み出して、そこの合格を目指すように頑張っていただければと思います。

 

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